2004年7月27日 栂池-白馬大池
栂池からのロープウェイ、観光客と一緒に栂池高原を目指す。途中、後立山連峰の峰々がすばらしい。すべてのピークの名前が分かる。山岳展望の力は衰えていないことを実感。途中、アナウンスが流れるたびに「へぇ〜」と歓声を上げる観光客がウザい。お前らは山の名前を覚えても、どーせ一瞬で忘れるくせによ…と一人殺伐とする。これも昔と変わっていないなぁ。途中ゴンドラに乗り換え、栂池高原に到着。ここからは本格的な登山道になる。荷物をしっかり整え、駅で買ったおにぎりと新宿で買ったパンを食べた。ザックを背負い、いよいよ出発。
 久々の山行ということで最初はかなりペースを落とし、緩やかな坂にもかかわらず急坂を登るときくらい慎重に…。それでも体が重い。また、真夏の太陽からの強い日差しで汗が止まらない。コンディションは決してよくはなかったが、こんなところでへばっているわけにはいかないと気持ちを入れなおす。後ろからざわざわと声が聞こえてきた。どこかの高校の集団登山一行だった。彼らのペースは速いので、道を譲る。そうこうしているうちに、本日の行程で唯一の水場を気づかずに通過してしまう。気づいたのは天狗が原についてからだ。地図を見て、しまった!!!本日の幕場である白馬大池には水場がないとのことなので、大量に給水していなければ大ピンチになる。大荷物を道端において、急いできた道を戻る。すれ違った人に水場の情報を聞き、15分くらい下りやっと水場に到着。こんなに目立つ水場を見逃した自分が情けなくなる。5gの水を補給し、急いで戻る。途中、「速いわねぇ」と言われてちょっぴり優越感に浸る。しかし、ハイペースでの水場への往復とこの5gの水が加わったザックが私の体力と自身を根底から崩すことになる。
 白馬乗鞍岳への登りは非常に急坂で、26、7`になったザックをコントロールすることができず、上体をふらつかせながらの危険な歩き方になってしまう。息が切れ、足が思うように先に出ない。2350m付近の雪渓が現れたときには、もう限界を迎えていた。気合で最後の急坂を登りきり、広々とした山頂へ出る。頂上でまったりする気はまったく沸いてこない。一瞬でも早く白馬大池に到着してこの荷物を降ろしたい…それしか頭になかった。ここから大池までは非常にゆったりとした下り坂だが、二回も休憩を取った。というよりは取らざるを得なかった。ふらふらになり、下り坂なのに足が前に出ない。やはり、ブランクは隠しても隠しきれるものではなかった。
 本当にキツイ思いをしてようやく大池に到着。まず私の目に一番先に飛び込んできたのは、水場だった。おい!!!地図にはないって書いてあったからわざわざ死ぬような思いで水を汲んできたのに、思いっきりあるじゃん…ありえねぇ。あの苦労はいったいなんだったんだとかなり悲しくなる。しかしへこんでいても仕方ないのでテントを張る。そうこうしているうちに、今度は天候が怪しくなってきた。遠くから雷鳴が聞こえ、にわか雨が降り出した。急いでテントを張り、中に逃げ込む。頼む雷雲よ、どうか大池にだけは来ないでくれ!と切実に祈る。祈りは通じ、30分ほどで雨はやみ青空が再び顔を出した。洗濯物を水ですすぎ、風景写真を撮ったり、音楽を聴いたりと至福の時間をすごす。やっと山にきてよかったなぁと思えた瞬間だった。夕飯は、これも2年ぶりの米炊き。もちろん失敗。超まずい。腹が減ってりゃ何だってうまいという言葉は間違いであると痛感。でも、食べないわけにはいかないので無理やり胃袋に流し込む。そして、今後について考えた。今日のように、完全にへばってしまっては先が思いやられる。何せ、今日のコースは歩行時間3時間20分、道もそれほど険しくないのにこの有様。もし明日、今日のようにへばってしまうようなら、1日の行程が7時間を越えアップダウンの激しい朝日岳への縦走は不可能に近い。すべては明日の出来次第で今後の予定を検討しようと決めた。今日で高山慣れし、明日からは昔のように歩けることを信じ床に就いた。
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