2004年7月28日 白馬大池-白馬岳
 夜半、隣のテントから聞こえるいびきに悩まされる。意外にもテントから漏れるい
びきの音は大きい。最悪だ。それでも精神力で寝付き、3時に起きる。飯を作り、順調 に出発の準備が進む。昨日の不調がうそのようにうまく片付き、1時間半で終了。
 空 が少し明るくなり、星が消え始めた頃、歩き始めた。緩やかな登り坂ではあるが、昨日以上に慎重に入る。稜線に出ると、雪倉岳と朝日岳の雄大な姿が目に飛び込む。そして、朝日岳の左肩には遠く朝日小屋が確認できた。明日、果たしてあそこまで行けるだろうか…不安と期待が入り混じる。
 快晴の空の下、非常に心地よい縦走が始まった。小さなピークを越えると、目の前には小蓮華山、そして白馬岳をはじめ後立山連峰の山々が連なっていた。2年ぶりとなる天空界、懐かしいというよりもまたここに帰ってきたんだなという気持ちで一杯になる。山も自分の居場所のひとつなんだなと。小蓮華山の山頂では、7、8人の先客がいた。どこまで行くのと聞かれ遠くにたたずむ朝日小屋を指差すと、大変だねぇと激励され、お弁当が余ってるからとひとついただいてしまった。ろくなもん食べていなかったから非常にありがたかった。そして小休憩の後、三国境を目指す。標高差±100m程度の道を30分歩く。昨日の不調がウソのように順調だったのに、この非常になだらかな道が苦しかった。なぜだ?なぜこんなところで息がきれるんだ?昨日の悪夢がよみがえった。三国境を越え白馬岳の登りにかかると道も険しくなり、ここでペースが完全に乱れた。足が前に出ず、体が鉛のように重い。途中、道端に座り込んで20分くらい何もできなくなったときもあった。気力のみで体を動かし、何とか頂上にたどり着いた。さすがに白馬岳あってにぎわっている。大きなカメラを持ったおっさんどもや、軽装で登ってきたお兄さん、そしてへばっている私…。おなかが急にすいて、バターボールにむさぼりつき、先ほどいただいたお弁当をたいらげた。これで体力が回復すればいいな。一時間近く滞在し、頂上を後にする。それほど急な下り坂でもないのに、やっぱり足が重い。思うように動かない。
 村営頂上宿舎に着いたときには足がガクガクだった。これじゃぁ、とてもじゃないけど朝日までの縦走は無理と判断。明日、白馬大雪渓をそのまま下ることを決意する。残念という気持ちはそれほどなかった。過去の自分と比べた今の自分があまりにも力が衰えていたから当然の結果なんだと思った。受付をすまし靴を脱いだら、間違って下の花壇に靴を落としてしまった。立ち入り禁止と書いてあったので、スタッフにとってもらおうと呼びに行ったが、「ラーメン作ってから行きますねー♪」といい、20分たってもこなかった。むかついたので不法侵入して取った。その後、適当にテントをはったら風にのってトイレのにおいが漂ってきて、テントの中が修羅場と化した。最悪なので、少し奥の方にもう一度張りなおした…。ホントさえねぇなぁ。少し休憩してからカメラだけもって周辺の散策に出かけた。荷物がないと足が動くんだよなぁ…。白馬岳は高山植物の宝庫といわれるだけあって、道端にいろ いろな花が咲いていた。雲が切れると白馬岳や杓子岳、鑓ヶ岳が意表をついたように現れる。写真を撮りまくった。2時間ぐらい散策の後、テントに戻り晩飯を食って就寝。
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